真昼過ぎ、ペールが持たせてくれた弁当を食べた後、ガイとルークは地に身体を横にした。

満腹感が眠気を誘い、ルークは既に瞼を下ろし眠りに入ろうとしている。

そんな微笑ましいルークの態を見てガイは笑みを零した。

この娘をずっと、ずっと守っていきたい。守ってみせる。

そう再びガイは誓った。

そして不意に顔にかかった髪を払おうと、指先でルークの頬に触れたとき。



ルークにも発病の恐れがあるのではないか。



突然頭を掠めた思考に、ガイははっとした。

ルークにも発病の恐れがあること。何故今まで気付かなかったのだろう。

十年前、生まれたばかりのルークと戦場で出会った。

ルークもあの時、あの戦場にいたのだ。

十分に、ルークも病に侵されている可能性がある。

「ルーク、ルーク!!」

「ん…何…?魔物でも、いた…」

その事実に気が付き、ガイは居ても立ってもいられずルークの肩を掴み揺り起した。

まどろみを漂っていたルークは、急に起こされたことに不満を覚え眉を寄せたが、ガイの必死の様にそれを消す。

「どうしたんだ…ガイ……?」

「ルーク…ごめん……」

普段見せぬガイの様に不安を感じて顔を歪めるルークに、残酷なことを告げなければいけないことに胸が締め付けられる。

それでもルークの命にも関わることだ。

謝罪を一つ零した後、ガイは意を決して口を開いた。











「ガイ…死んじゃうの…?」

自分の身に起きたことを全て話せば、今にも零れ落ちそうな程涙を溜めたルークがいた。

濡れた翠緑玉の瞳は普段以上に輝き、その頼りなさ故か、美しさがぐっと増したようにも見える。

その愛らしくも哀しみを帯びた姿に引き寄せられるようにガイは腕を伸ばし、儚い身体を抱き締めた。

「大丈夫。俺は死なないよ…おれがルークを置いていくわけないじゃないか。約束しただろ?」

「ほんと…だよね…。絶対ひとりにしない、よな?」

「ああ、しないよ。ずっと、ずっとルークの傍から離れないから」

今まで約束を破ったことのないガイの言葉を信じ、ルークはその背に腕を廻し、強く縋りついた。

幼い手に応えるように、ガイの腕の力も増す。

まるでお互いの足りない部分を埋めるかのように二人は暫く、抱き締めあった。







(ごめんな…ルーク……) ルークに今まで嘘を吐いたことなど一度もなかった。

だから、これが最初の嘘になる。初めての嘘がこんな内容になるとは思ってもみなかった。

現の世はなんと無情なのだろう。世界に対する憎しみが強くなったような気がした。















「ルークのここは…大丈夫か…?」

「あっ…!」

ルークの身は大丈夫なのか。

一番懸念していた事を確かめるべく、ガイは異変を来した自分の部位と同じ処に触れてみる。

途端、震えを強くしたルークにガイは不安を覚えた。

「やっぱり…ルークもここ、具合が悪いんじゃないのか?」

「う、ううん。そんなことは、ないんだけど…………なんか、恥ずかしい…」

そういえば十三歳になってからはルークと風呂に入ることは禁じられ、この部分に触れるのは久しぶりだ。

恥ずかしがるのは無理もない。

女の子のこんな処を触るのは失礼に当たるのかもしれないが、今は非常事態だ。

どことなく嫌がる素振りを見せるルークを腕に力を込めて抑え、再び謝罪をし、手を進めた。

「あ、あぅ…が、いぃ…なんか、へん…だよぉ…」

「ごめんな、ルーク…少し我慢して…」

薄い布地を指で引っ掛けずらし、直に股間に手を這わしてみる。

恐る恐る触れるガイの指に、意識せずとも感じる感覚にルークは声を上げた。

やがてそれは甘いものが混ざる様になり、顔が紅潮もしていく。

今まで見せたことのない態に、ルークが知らない女の人のように見え、思わずガイは喉を鳴らした。

もっとそれが見たくなり、ガイはルークが声を上げる処を夢中で弄び出した。

やがて、甘い匂いのする蜂蜜のような液が溢れ出てくる。

初めて見たものにも関らず、ガイはそれが当り前のことなのだと認識し、臆せず手を進めた。



「ルークのここ…やっぱり、俺のと違うな…」

「あ……そう、か…?」

「うん…。すごく温かくて、柔らかい…なんか、気持ちいい…」

「そ、そうなのか…?なんか…恥ずかしい…あ、ああ」

一方的に触れてくるガイに、ルークは感じたことのない感覚を覚える。

その態に脳髄が痺れる様な感じが増す。

弄ぶ手を濡らす程に溢れ出した蜜の香りが鼻に届き、それに下半身が重くなるのをガイは感じた。

「あ…どんどん柔らかくなってく感じ…。俺のは触ると固くなるのに…やっぱり違う」

「ガイのと…違うの……?」

ガイにも自分同じものあると疑っていなかったのか、ルークの目が驚きに丸くなる。

そういえば、性差というものを教えていなかった。

生きていく上で必要な知識を与えていなかった迂闊さに苦笑が零れる。

いい機会だと思い、ガイは下肢を覆う衣服と下着を寛げ、先程から異常を来していた自身を取り出した。

「ほら…全然違うだろ?」

「ほん、と…だ…違う……」

初めて意識して見る男根に、ルークは何故だか恥ずかしくなり、顔を赤らめ逸らす。

羞恥に震えるルークに慰めるようにキスを落としながら、ガイは華奢な手を取り自身へと導いた。

そして、触るように促す。

嫌がる素振りを見せながらも、ついには折れ、ルークはガイ自身に手を這わし始めた。

「くっ…はぁ、んぅ…ルーク…」

「んぁ…あ、あぁ…がいぃ…」

幼い手が行き来する度に昨夜のような高揚感がガイを襲う。

この感情を、感覚をなんと呼ぶのだろうか。

それは今のガイには解らなかったが、ルークに対する愛おしさが増したことは確かだった。

行為の意味を知ることもなく、二人は暫くの間、ただ互いの秘所を愛しあった。





すっかり柔らかく解れたルークの秘部にガイは新たなものを見つけた。

「なんだろ…穴…かな?ルークのここに、穴がある」

「や、痛っ!ガイ痛いよ」

目で確認せずとも分かる、小さな小さな穴。

それでも指くらいは入るだろうと、気付けばガイは其処に指を埋めていた。

途端、ルークの口から悲鳴が出る。

それに驚き肩を震わせるものの、どうしても抜く気になれず、それどころかもっと奥へと指を進めた。

そして本能に従い、穴を広げる様に抜き差しを繰り返す。

「やぁ、痛ぁ…あ、痛いよぉ!がいぃ…ガイ痛いっ!」

「あ…ルーク…。ごめんな、ごめん」

双眼から大粒の涙をぼろぼろと零すルークを見てガイは漸く我に返る。

己の奥底から求めるがまま進めた結果、ルークにはついてこられなかったらしい。

埋めた指を引き抜くとガイはルークの背に手を廻し、泣きじゃくる少女をあやした。

ルークが泣き止むのを待つ間、ガイは自分の身に起きた答えを見つけた気がしていた。

自分の身体にある部分。女であるルークに足りない部分。

そしてその部位の異変。全てが繋がったような気がした。





「ルーク…昔、母上に聞いた事があるんだ。なんで男と女がいるかを…」

「え…?」

あやす手は止めずに、ガイはルークの顔を覗き込みながら話を切り出した。

ルークはといえば、突然なんら脈絡の無い話を始めたガイを不思議に思っているようで、眼を忙しなく瞬かせている。

邪気のないその姿を見据えながら、ガイは答えを与える。

「それは、他人同士がもっともっと仲良くなる為なんだって。異なる者同士を認め合う方法を教える為に、

神様は違う身体の造りをした個体を創り出したんだ」

「ガイのいってること…ちょっと、難しくてよくわかんない……」

「つまりね、愛し合うためってことだよ」

「あいしあう…」

大きな瞳が更に大きく見開く。肉親の愛情を得られずに育ったルークにとってそれはどれだけ甘美な言葉に映ったのだろうか。

行為の真意はガイにも解らない。ただ根本は間違っていないはず。

そう思い、卑怯と知りつつも顔を歪め、先を望む言葉を発する。

「俺は…ルークと愛し合いたい。今すぐ愛し合いたいよ…」

肉親の愛情を殆ど受けられなかったのはガイも同じだった。

変わりにルークが親以上に一緒にいてくれたが、所詮はいつ離れていくかわからない他人。自分達の間には見えない厚い壁があった。

それを取り払ってしまいたい。繋ぎとめる為の確かなものがずっと欲しかった。

その力が自分の思う行為にあると思えてならなかった。故にガイは求めた。

「うん…。俺も、ガイと『あいしあいたい』…」

消え入りそうな声で応え、慄きながら頷くルークに愛しさが込み上げガイは強く抱き締めた。



















互いに下半身だけを晒した姿で草原に身を横たえる。

重なり合う二人の姿を長く伸びた草が外界から隠してくれていた。

「なるべく…痛くしないようにするから…」

「うん…」

膨張し切った自身を熱く熟れたルークの秘所に擦りつけながらガイは気遣う言葉を紡いだ。

先程、秘孔に指を突き入れた時のルークの痛がりようは尋常ではない。

おそらくこの行為は女であるルークには、相当負担になることなのだろうと予測が出来る。

苦痛を与えると分かっていながら、止める事が出来ない自分に嘲笑をひとつ漏らした後、

ガイは腰を揺らしルークの中に侵入を始めた。

「あ、ああぁっ!痛ぁ…痛い!!あ、がい…ああっ!!」

「あ、はぁ…んっ…は、ルークごめんな」

柔らかく温かいルークの内壁が優しく自身を締め付ける感触に、声が零れる。

なんて気持ちがいいんだろう。

「は、ん、はぁ…気持ちいい…」

「やぁっ、ガイ、まって!痛いよぉ…」

感じたことのない快感にガイは我を忘れ、思わず深く突き立ててしまっていた。

途端、ルークから痛々しい嬌声が発せられる。

余裕をすっかり失っていた自分に気付き、ガイは慌てて動きを止め、慰めるように窪みに溜った涙を吸い取った。

「ごめん…ルーク…。ごめんな…」

「うんっ、うんっ……」

背と地の間に腕を入れ、ルークの呼吸が整うようにと、撫でてあやす。

締め付ける動きをする中に、この状態で留まっていることは地獄の責め苦を受けるがごとく辛いがルークの為なら我慢できる。

そう思いながら落ち着くのをガイは辛抱強く待った。



「ルーク…その、…動いてもいい?」

やがて穏やかさを取り戻したルークに向かって、ずっと耐えていた問い掛けをする。

それに羞恥を含みながらも頷いてくれたルークに口付け、ガイは律動を始めた。

「んっ、ああ、あっ…んぁ、あ…がい、ガイ!」

「はっ、んっ…つ、ルーク、ルーク!!」

くちゅ、くちゅと粘液を含んだ水音が接合部から鳴る。

旋律を奏で始めたガイの動きにやがては、痛感以外の感覚を感じ始めたルークが嬌声を上げ始めた。

艶めかしいその様が、名を呼んでくれる声が愛おしくて仕方がなかった。

誘発され、それこそ貪る様に更にルークを求めた。

奥を付けばルークは一層身を震わせ、ガイを放さんとばかりに締め付ける。

「あ、はぁっ…もうだめぇ…あああぁっ!」

「ルーク…」

感じる処ばかりを攻めたてられついに迎えた絶頂に、ガイの背に廻っていた指が爪を立て、服越しに傷が付けられる。

それに刺激される形でガイはルークの中で果てた。

自分から流れ出す熱いものをルークの奥に充分に擦りつけた後、萎えた自身を中から引き抜く。

これが一体何なのか分らない。この行為の真意も分からない。

ルークのナカから漏れだした白濁を静かに見据えながらガイは思った。

それでも構わないと。確かに今ルークは自分のものに、自分はルークのものになれたのだから。

ルークの為ならどこまでも堕ちていく決心があった。

ただ。

絶頂を迎えたと共に、疲労から意識を失った幼い肢体を抱き上げる。

過酷になるであろう、自分の人生に付き合わせてしまうルークの身を不憫に思った。

それでも。もう手放せない自分を許してほしい。

そう願い、薄く開いたルークの唇を優しく自分のそれで啄んだ。












はいエロです。一応エロなのですが。
スゴイ微裏で申し訳ありません。しかも支離滅裂。ていうか、ガイ病気。病気は??
ガイが何考えているか分かりません。何考えて生きてるんでしょうね(私が)

2008.4.8