その自分とは違う体温を腕に閉じ込めると、白金を彩る砂漠に鮮やかな色が咲いた。

自分には無い、色。赤い、紅い。朱い。

それは太陽の色、尊き命の色。そして少女の色。




もう、愛しいのか憎いのか解らなかった。

解らなくても良いと思った。




彼女が傍に居てくれれば。





砂漠に咲いた花 1





ガイは解っていた。

この想いは、懇願に近いこの願いは、叶う日が来ないということを。

だって彼にとって彼女は、ルークは復讐の対象の一人にすぎないはずなのだから。

だからこの想いは叶わない。

叶えてはいけない。




そう、知っていたはずだったのに。













「っ…ん、あぁ…ぁんぅ、…っあ、が、い」

眼下に朱の長い髪が扇状に広がっている。

ガイはそれを一房掬い上げると指に絡めて口付けた。

少女の無垢なる心を表す様な純白のシーツの海で、ガイが律動するたびにルークはその細い肢体を揺すられ踊っていた。

同時に艶を孕んだ喘ぎが紅く色付いた形の良い唇から零れ落ちる。

それにガイは己の雄が刺激されたのを覚え、更に深く、激しく彼女を求めた。

それに接合部からの水音が激しくなる。

彼女を司る何もかもが扇情的だった。

「が、いっ…もぉ、だ…めっ、っ、あああああああああぁ!!」

「っつ!!ルー、ク」

ぎりぎりまで腰を引き、深く突き入れた瞬間にルークは限界を向かえ達した。それと同時に自身を強く締め付けられ、

ガイもルークの中に欲を放った。





「ルーク……」

一息ついた後、ガイは眼下で痙攣しているルークの身体を優しく抱き締め、髪、額、頬に労わりの口付けを落としていった。

「……んっ」

軽い後戯を施したあと、ガイは繋がったままだった接合部から自身を引き抜いた。

その際、ルークの唇から微かな喘ぎが零れる。

それにガイは未だ引かぬ己の熱を自覚したが、今夜はもう既に何回か情交を交わしており、時刻は真夜中とうに過ぎている。

これ以上の行為は明日の仕事に差し障るし、何より体があまり丈夫で無いルークには酷だ。

ガイの中でルークのことは最優先事項である為、情欲の熱を保つのは辛いが彼女のためなら、とガイは我慢することに決めた。

「…どうしたの?」

「いいや、何でもないよ。…ただ、幸せだな、って」

己の若さに苦笑しながら毛布を引き上げていると、虚ろだった意識の淵から浮上して来たルークの濡れた翡翠の緑眼と目が合う。

ガイは柔らかな笑みを浮かべ、誤魔化しと己の本心の言葉を織り交ぜて、彼女に贈った。

それにルークは頬を朱に染め、達した余韻を引き摺る身体を叱咤して、伸び、ガイの唇に触れるだけの口付けを返し、

照れてガイの胸に顔を埋めた。

「お休み、ルーク」

「おやすみ、ガイ」

ガイは擦り寄って来たルークの細腰に腕を廻すと、可愛いお返しに、幸福を感じながら目を閉じた。














愛するものが、自分の傍に居る、手の中にある。

愛せる。

愛してくれる。

それがこんなに幸せだなんて知らなかったんだ。









彼女と出会うまで。

















純愛。純愛に仕上げるつもりだったのです。最初は。
支離滅裂で意味の分らない文章に…(汗)

2007.12.31